UST「画集について語る/絵画編」7月28日(土)18:30〜

画集持ち寄って、キャッキャウフフするustの中継に参加します。

aslsp企画:UST「画集について語る/絵画編」7月28日(土)18:30〜

参加者:石川卓磨今井俊介五月女哲平竹川宣彰、山内崇嗣、末永史尚

当日は以下のリンクから辿れるとは思います。

 

  • 今井俊介(選)
  •  Antoni Clave CLAVE
  • Antoni Clavéは、スペインのモダンな画家で、タピエスよりちょっと上の世代の画家。
  • 今井くんのお父さんが持っていて、幼い頃から偶々家にあった本で、久々に見直してみたら、今井くんが見ている最近の現代アートの画家との関連性や読み込めるところがあり、今見ると面白く感じる画集として興味を持ったそうです。

 

  • 末永史尚(選)
  •  Caro Niederer Offentliche und Private Bilder
  • Caro Niedererは、現代のスイスの画家。元々あまり情報がないようで、小柄な素朴な具象的な絵を描いてる様には見える。画風から想像すると、昔の民画を見るような、素朴なモッサリとした良さで絵を描いてるようには見える。だけど展示風景を見ると、ギャラリーに、ベットのような生活空間ふうの構造物を設置して絵を展示したり、絵を元にしたタペストリーは生活道具風絵画のように展示するとか、
  • 妙な現代アート風味を取り入れた展示技法を使う、素朴な絵を展示する人という。妙に現在の現代アートの絵画の人の技法が自然と先導されたような人という印象は受けました。
  • 末永くんは、偶々見つけて、ここ10年間ぐらい、何かある節によくみる画集だそうです。ピーターフィッシュリ&ダヴィッドヴァイスの、ダヴィッドヴァイスのパートナーだそうです。

 

  • 山内崇嗣(選)
  •  日本切手カタログ
  •  E.H.ゴンブリッチ「美術の物語
  • 2006年に、切手収集の面白さに興味を持ち、自分なりに切手の使い方やカタログの見方を整理していった。ほそく薄いフィルム状の付箋を多用することで、いろんなまとまりや、組み合わせ方法を、付箋で記録するようになる。付箋した項目は、ジャンル分け、同じモチーフ分け、郵便送料に準じた組み合わせなど。
  • 切手カタログの整理の仕方をもとに、E.H.ゴンブリッチ「美術の物語」にも付箋で記録するようになる。付箋の付け方は主に、時系列、素材や技法、見え方やモチーフなど。
  • 個人的には、既に記録している、切手カタログと、美術の物語で、自分なりの新しい見方を発見したいのだけど、それとは別に没後の画家の全集でやりたいと考えているのと。そういう情報整理の方法を自分の作品制作にも生かしたいと思っています。

 

  • 五月女哲平(選)
  •  金山平三画集 (1976年)
  • 金山平三は、青木繁や熊谷守一に近しい世代で、東京美術学校で黒田清輝に油絵を習った人。風景画がとても多く、どうも、一日、二日といった短い時間の単位でいっぱい作品を量産している。風景を、かくことにその時代なりの芸術性を加味してることも読みとれるのですが、カタログの後半部に能か?演劇?の舞台の記録したシリーズがあり、芸術性というよりは、記録性、報道性のある油絵というのは、今となっては写真の取って代わって、失われた油絵の技法にも見えて、懐かしくも面白くも見える。青木繁や熊谷守一や萬鉄五郎は、特殊なものとしても、黒田清輝から、梅原龍三郎、安井曾太郎の間の世代としてシームレスに繋がる印象的な技法の人という意味では理解できました。
  • 金山平三画集は、絵を描いていた五月女くんのおじいさんが持っていたそうです。何かのテーマに沿って構成する広い移動範囲や、特殊な地域ではなくて、素朴にみえる作者の近くにみえそうに見えたと感じる風景を描いてるところが良いなとおもったそうです。また、五月女くんが興味ある、ローラ・オーウェンスやWilhelm Sasnalという画家と、関連して見える何かもあるそうです。

 

  • 竹川宣彰(選)
  •  日本橋魚河岸―森火山画集 (1977年) 森 火山
  •  阿Q正伝・狂人日記 他十二篇(吶喊) (岩波文庫) 魯 迅
  • 森火山画集は、江戸末期から明治にかけての、川辺や海辺や漁業についての暮らしがよくわかる風俗画で、最近、ユネスコ遺産になった山本作兵衛ちかい技法も感じる。作者がどういう風景をみて、どういうことを伝えたかったか?よくわかるようにかける技術を習得されていて面白い、絵物語や紙芝居にも繋がるような技法にも感じるし、視点が絵日記のような制作動機や公開範囲が、少しプライベートなものにも見える。
  • 魯迅の阿Q正伝・狂人日記は、記述方法が文章を読むだけで、絵が浮かびそうな風景を想像できたり。ヨーロッパの価値観とは別の考え方みたいなものに惹かれるそうです。
  • 歴史的に、アジアの生産物や製造業を思ったとき、欧米のルネサンスやモダニズムを他国に伝えた、発明や発見、捏造について(note / 背広、コーラ

 

  • 石川卓磨(選)
  •  「ジョージ・グロス
  •  絵で見るフランス革命―イメージの政治学 多木浩二
  • ジョージ・グロスは、モダンな風俗画、民族画、風刺絵みたいなところと、芸術的なアヴァンギャルドの造形方法が組み合わされたところがあって、純粋美術やフォーマルな美術では、カリカチュアされた絵の扱いが難しいと言えば難しく、そういうものや技法の質を見て読み方直すかというところに興味があるそうです。
  • 多木浩二のフランス革命の時期、モダンなも時代の始まりの風俗画、風刺画の研究も、ジョージ・グロスとは別の時代で、風俗画、風刺画の在り方としてみることに面白いと思い、時代比較のために読んでいるそうです。

 


本の紹介から幾つか、山内がいくつか思ったトピックなど、本を選んだ6人の基底面というか、話題の前提として、日本と欧米のモダンアートや現代アートの理解がそれなりにあり、海外と日本の美術の事情や立ち位置のちがいを考えたり、一般的なアートの流れに対して何を理解して、何を受け取らず自分なりの発想を組み立てるか?ということを考えて本を選んだり、そういう考えを自分なりに組み立てるために、何か画集を見たり、本を読んだりされているのかな?と感じました。そういうことを思いながら、なんとなく用意された本や、本を通してでた話題などから、色々トピックをまとめていくと

インターネットのある時代を通した、既存のものが編集されたアーカイブの扱いと、身近で体験する素朴な出来事や即物的な記録や体験をすることの違い。記述や編集や技法、展示や発表などプレゼンの技法。
  ・カタログの付箋を使った情報編集(山内)
  ・絵日記や日記のようなものの公開範囲(竹川)
  ・金山平三の身近にみえただろう風景(五月女)
  ・Caro Niedererの画像の作成と、展示空間の編集(末永)
  ・石川くんの作品制作と、展示空間のポイントの組み立て方(石川)

制作動機や取り扱う話題やモチーフ、制作された作品の公開範囲の設定。プライベートなこと、パブリックなこと。
  ・絵日記や日記のようなものの公開範囲(竹川)
  ・金山平三の身近にみえただろう風景(五月女)

メディウムとして作品の完成度と、ポリティカルコネクトネス。欧米の美術の教科書的な美術の正しさと疑問。
  ・魯迅のとらえるアジアの生活や風俗。ルネッサンスやモダニズムの文化が捏造するもの(竹川)
  ・Antoni Claveの作品の再評価、再認識(今井)
  ・近現代の美術や、ポモ的な価値観を、通した後での、風俗画、風刺画の在り方、見方が再設定できる可能性。
    ・ジョージ・グロスなどの風刺画(石川)
    ・森火山の風俗画(竹川)

6人に前提になっている美術について、6人だけで話すには必要はないし、第三者に話すことを考えると、ある程度のガイドラインは必要かなと思う。

※ 何か、追加情報があれば、このページを更新します。

This entry was written by admin , posted on 日曜日 7月 29 2012at 06:07 pm , filed under infomation . Bookmark the permalink . Post a comment below or leave a trackback: Trackback URL.

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