山内崇嗣『日本の洋風美術についての夕べ』2014/06/07 @長者町プラットフォーム

名称  :日本の洋風美術についての夕べ
日時  :2014 年6 月7 日[土] 18:00-21:00(開場17:45)
会場  :長者町プラットフォーム(名古屋市中区錦2-13-28 龍屋ビル3F)
企画  :山内崇嗣 副田一穂
観覧料 :入場無料
定員  :30名
主催  :長者町アートアニュアル
FB :https://www.facebook.com/events/1423539691245389/1423951224537569


より大きな地図で APMoA Project, ARCH vol. 9 山内崇嗣 「くるみの部屋」 を表示

現在、愛知県美術館で「APMoA Project, ARCH vol. 9 山内崇嗣 くるみの部屋」を開催中の山内崇嗣が、桃山時代から明治初頭にかけての舶来の美術の技法や様式を取り入れた「洋風画」についてお話します。進歩的な西洋美術vs遅れた日本美術、あるいは西洋化によって逆説的に発見される日本の風景といった従来の近代美術観を超えて、東西の美術の意外な相互互換性に眼を向けることで、日本の近代美術を読み解いてゆくスライドレクチャーです。

入場制限など厳しいイベントではありませんが、用意するものもあるかもしれないので、参加希望される方は、事前に、info@omolo.com までメール頂けると助かります。
人数をカウントするもので、差出人の記名は本名でなくとも構いません。

犬の鳴き声は「ワンワン」とか「BOW BOW」とかいわれる。犬が違うわけではなく認識が違うだけ。

司会進行のものも知識や話題に限界があるので会場の方もドンドン発言お願いします。

今回のイベントで紹介される絵は、予めリストが決まっています。直前になって、多少、増えたり減ったり省略したりする話題があります。事前予習ができます。

当日予定しているスライドリストです
https://www.flickr.com/photos/22081105@N03/sets/72157606419824427/

愛知県美術館で現在行われてる展覧会「くるみの部屋」は、比較的、美術に関心が薄い方も関心持ちやすいアプローチや演出がありますが、このレクチャーの内容はある程度、内容的に、ハードなもの、すこし取っ付きにくい内容になるかもしれません。ある程度、日本美術を御覧になられてる方には、復習的な内容です。

話題は、
(1)他者の文化を変容して受け取ること、イメージの翻訳みたいなことを感じる画像を導入に
(2)世界史的な大航海時代、日本では戦国時代、キリスト教など舶来の文化の往来によって導入された画像を検証
(3)まとめ的な、イメージについて感じること。今後、他者性を何にみつけるか?

画像を見るポイントは、三点。
(A)外来の、動物や、物語の記述
(B)外来の、画材の導入
(C)外来の、陰影描写、遠近法など、描写方法の導入

一見、把握しくにい形を追う
(a)雨、水、煙、空、火など、形のないものの描き方を追う
(b)手前と奥とのかき分け、繋がりを追う
(c)解剖学や骨格、構造の表し方を追う

■年号メモ
 江戸時代 (1603 – 1867)
 明治時代 (1868 – 1912)
 大正時代 (1912 – 1926)
 昭和時代 (1926 – 1989)
 平成時代 (1989 – )

 明(1368,1388 – )建文帝
 清(1644 – )康熙帝1654-1722・雍正帝1678-1735・乾隆帝1711-1799
 中華民国(1912 – 1949)孫文
 中華人民共和国(1950 – )毛沢東

今回、作品リストの中から、今回、名古屋でのスライドショーなので、中部地方で見られる作品を重点的には話題は膨らませたい。

岩橋教章(1835-1883年)『鴨の静物』(1875)三重県立美術館所蔵
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/hillwind/hill_01/hill1_7.htm
岩橋教章は、この一枚ぐらいしか見かけたことはないけれど、江戸時代の末期に、いきなりこういう素描力を持った方の登場は驚く。岩橋教章が38歳(1873)のころ、ウィーンに留学(ウィーン造形美術アカデミー?)岩橋教章は、何をウィーンで見たか?という記録みかけないものの、ウィーン美術史美術館などで、北方ルネサンスの作品を見たのは想像がつきます。クリムト(1862-1918,1873年当時11才)が出会うには少し時代がずれていて出会える可能性は低い、しかし日本趣味があったクリムトは美術をしるうえで岩橋教章を後に知った可能性はある。というところまでは、山内の調べで分かってきましたが、三重県美でよく作品を見てる方がいらしたら、その場で感想を伺いたい。
山内自身、作品を実見してないので、掛軸とか、額装とか、どのようなフォーマットで飾られているか?しりませんが、高橋由一の「鮭」が縦長い構図で殿の間に飾る絵と想定されたことを思うと、この絵も、そのようなフォーマットで作られているかなと思います。

冷枚(れいばい)「西王母像」(清朝)
冷枚という画家については、山内自身よくしりませんが、何か魅力的で興味ある画家です。
今現在、四日市の澄懐堂美術館にて作品が展示されています。
澄懐堂美術館「道教仏教の人物の書画」 2014/6/8まで
http://www.chokaido.jp/exhibition.html

岩橋教章「鴨の静物」(1875) 冷枚「西王母像」(清朝)

■参考文献
 世紀の祭典万博博覧会の美術 (カタログ)
 未完の世紀:20世紀がのこすもの (カタログ)
 再考近代日本の絵画美意識の形成と展開 (カタログ)
 漫画に描かれた明治大正昭和 / 清水勲(著) 教育社
 ワーグマン日本素描集 / 清水勲(著) 岩波文庫
 近代日本の水彩画 / 酒井忠康(著) 岩波書店
など

This entry was written by admin , posted on 木曜日 5月 22 2014at 03:05 am , filed under memo . Bookmark the permalink . Post a comment below or leave a trackback: Trackback URL.

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