工芸未来派サテライト展 / “Arts meeting vol.1 山内崇嗣、伊藤幸久” kanazawa art port kapo (2012/8/15-9/3)
工芸未来派サテライト展 (公式 tumblr facebook)
http://kogeimiraiha-satelite.tumblr.com/post/24731416017/kapo
金沢21世紀美術館で開催される「工芸未来派」と
連動して金沢市近郊のギャラリー・アートスペースが
“工芸”をテーマに独自の企画展になります。
展示:Arts meeting vol.1 山内崇嗣、伊藤幸久(facebook)
作家:山内崇嗣、伊藤幸久(web twitter facebook)
会場:kanazawa art port kapo
住所:920-0932 石川県金沢市小将町1-11 山越サンアートビル内
会期:2012/8/15(水)-9/2(日)(月曜日・火曜日休み)
会期中のプログラム
8月18日 トークセッション18:00- ustreamを使った中継予定あり。
9月1日-9月2日 金沢市内市街地某所で、野焼き陶芸会+バーベキュー。(予定中、決定次第告知します)
期間中の山内の金沢滞在予定
8月15日-8月20日 8月30日-9月3日
URL:http://www.kapolog.com
E-MAIL:info@kapolog.com
TEL:080-3745-6540 (MOJO CAFE)
※ 僕の展示は、植物をモチーフとした美術、工芸、園芸をまとめた作品群を使って、個人的な博物展になると思います。
※ kapoの1Fフロアを山内が担当し、2Fフロアを伊藤幸久さんが担当します。
※ 友人知人の方、金沢に旅行など考えてる方など、もしいらしたら、僕の自宅(結構、中心部、21世紀美術館に徒歩15分程度)に宿泊もできます。興味あれば連絡くださいませ。
※ 期間中、石川県立美術館で、田中一村展(7/28-8/26)、金津創作の森(福井)にて荒井良二展(7/21-9/23)など、砺波市美術館(富山)で木下晋展(7/21-8/26)など、あるようです。
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僕の出身の金沢で正式には初めて展覧会に参加することになりました。自分は関東の美術大学に進学して、関東を主に展示の活動を行ったきたのですが、地元の活動にも参加できるようになったことを嬉しく思います。
展示内容に関しては、今まで自分がテーマに行ってきた植物の木の芽をモチーフに、展覧会のテーマを考慮して、自分の知っている美術や工芸の技術と知識を駆使した博物的な展示内容になります。
自分の展覧会内容とどこまで接点をつけられるか?わかりませんが、今回の展覧会のテーマであるところの金沢21世紀美術館の「工芸未来派」というところの企画コンセプトの秋元雄史さんの考えを想像し、海外や県外からも現代アートの美術館があることで注目があつまるように金沢もなりました。地場産業や地元資源の開拓に、現代アートを経由したところの、美術の発想と工芸の技術がリンクした作家や、そのような作品が流通する舞台としての石川県の、現在の在り方を考えられてのことでしょう。また、イタリアのミラノサローネと言わなくても、北陸が特殊な文化の産地として形成するには、どのようなプログラムが必要か?と考えるところで「工芸未来派」のコンセプトは考えられたのでしょう。
ARTというものは、元々キリスト教などアングロサクロンの文化圏のルールが借り物で広まって、長い時間と曲折あれ日本や金沢まで広まった文化です。
石川県が産地である九谷焼などの白磁に細かい描写が鮮やかにされたものは、中国の景徳鎮などで発明された技術が応用されたモノで、日本の中華風の工芸品です。借り物の文化を受ける土地柄、それを地場産業に県外や海外に輸出できるようになるには、元々のエポックを産んだ産地の技術や発想を理解して再現できるだけでは、その土地ならでは産業にはならないでしょう。
また伝統工芸の世界では、高度な技術者しか持ち合わさない技術や発想があり、そういうものを持った高齢者が若手を育成できず、亡くなったらその技術や発想が途絶えるというのは、今の伝統工芸の産地ではよく聞くようになった問題です。
また、ARTという文化は教養主義な面もあります。自分勝手な自己表現の文化とも言い切れません、アーティストが作るだけでなく作品が、学芸員、コレクター、研究者、ディーラーなど、いろんな商品流通や概念共有によって完成します。比較的、教養や経済を持ち合わせた都市や、そういう意識を共有したグループで成立しやすいことだとは思います。
しかし、町おこしをしたいとか、地域の娯楽産業の開拓、外の世界に送り出せる産業を作りたいという、町を作りたい人の考えが一方にあって、住人側にはそれを受け入れる教養や経済力を持ち合わせない場合があります。そこで住人のニーズと送り出せる、現代美術の産業づくりということは難しいこともあります。それは、現代美術の作品が作られたり支持される環境として、近代の発生による都市の誕生や産業革命、そこから発生する個人主義とかに支えられて出来た文化で、自給自足が成り立つような田舎の地域など、近代とか、現代といった、都市のタームを過ごしてない環境の地域では、近代や現代といったものでない別の文化があるようには思います。
そこで、都市で発明された文化や産業が、ど田舎で消費されるということでもなく。ど田舎の人も都市に送り出せる、都市文化とは別のルールの産業や経済の仕組みを作っていかないといけない。
現状、都市の会社で作られた製品や商品を、地方の大型ショッピングモールで売りつけて、地元の商店街がシャッター通りになるとか。一方で、都市の教養を地方の人に言いつけて、あまり地元に人に受け入れられないという環境は、あまり良いことには思えません。
福島原発の事故が起きてよく考えるようになったのは、石川県にも、志賀原子力発電所があり、都道府県が抱える負のリスクと、それにまつわる地方交付金の問題です。自分も実際に数字をよく見比べたことはありませんが、金沢21世紀美術館や、芸術村、卯辰山工芸工房などを管理する金沢芸術創造財団の収入には、そのような財源が含まれているとは思います。
http://www.kanazawa-arts.or.jp/koukai
地方交付金というものは、発生するいろんな原因や理由もあると思います。いろんな収入が発生する理由を考えると、原子力発電所など負担の多い事業の代わりに発生する収入もあります。いくら収入が出来たとしてもリスクの多いことや取りやめるべきですし、現状、その代わりに別の地場産業の発達や、地元資源の開拓に、いまある負の収入は充てられるべきとは思います。
そこから考えて、金沢の地元の方で知人や友人含めて、アートに関心ある市民の方、例えば、アーティストや、職人や、ディーラー、コレクター、学芸員や施設の方は、帰省の度に、何人かに、お会いしたこともあります。県外のアートの文化を理解するとか、消費するというところでは、市民のコモンセンスは、かなり理解は高まったと感じます。しかし、負のリスクから発生する収入の代わりに切り替えられる収入を作り出すこと、新しい文化事業や資源を開拓するとか輸出するとか、現状の規模から下降する経済の元で豊かに過ごすということは、現状厳しいことに感じて憂慮します。
そのような気持ちを持ちながら、今回の金沢での展覧会作りと、金沢での美術の文化作りに少しでも自分が参加できること、協力できることを考えています。