カオス*ラウンジV 8月17日(土) – 8月28日(水) ビリケンギャラリー
日本民藝館「つきしま かるかや 素朴表現の絵巻と説話画」で、室町時代から江戸時代の素朴な民画の展覧会を見てきました。民画というのは取り立てて上手くもない大人がテキトウな画材をつかって、何かの物語や、量産品として、何処かの誰かが、一生懸命描いた絵などです。
当時の上手くてプロフェッショナルで豪華な絵を見ると気落ちしてしまう時もありますが、そういう作品よりも、汎用性がたかく、おもしろく感じるところに憧れます。
場合によっては、上手くない誰かも、人生のある一瞬に描きあげる、おもしろい絵というのが民画の魅力で、そういうものが上手で豪華なものに勝るとき、本当いいものだなとおもいます。
何かをつくる画家さんや、彫刻家さんなど、豪華な素材や技術の習得や、キャリアアップ、規模の大きな仕事によって、自分の作風や様式をつくるというのは、それはそれで結構なこととは思いますが、例えば、体力や技術の減退、キャリアダウン、素材にかけられる経済力を失ったとき、素朴な絵に見られるような汎用性を、作者自身の技術として、訓練して、備えていれば、どういう環境でも、その人なりの作品は生産し続けられるだろうし、環境ありきでしかその人なりの作風を作れないのであれば、環境が悪くなると筆を折るというのも必然のような気がします。
そういうことを思うと、素朴さをキーに、どんな環境でも制作できる、その作者なりの作品の汎用性や魅力をどうやって作るか?考えるのは良い展覧会だったと思いました。
カオス*ラウンジV
8月17日(土)~8月28日(水) 13:00?19:00 ※月曜休廊
オープニングレセプション:8月17日(土曜)17時?19時予定
会場:ビリケンギャラリー 〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-10
参加者 (五十音、敬称略):
☆藤城嘘、あやの、荒渡”MAGMA”超レーガン?、有延和麿、一輪社、今井新、梅ラボ、stk、大瀧翼、おさしみちゃん、かなみとも、蚊に、サカグチ、さくらいま、だつお、チバガク、仲山ひふみ、ハタユウキ、東麻奈美、pipatan、平野淳、百頭たけし、埋名、マドモアゼルあんな、みあろ、三毛あんり、メロ、もさ☆、簗瀬草介、山内崇嗣、山本悠、リリカルロリカル、レベッカ、他。
カオスラウンジは、僕も、色んな都合があうとき参加していて、できることならなるべく参加したいなと思う気楽な展覧会です。
参加者は、主に自分より若い年代の方達で、もしも現在の民画があるとしたら、どういう媒体で?どういう技法で?どういうモチーフで?皆さん作品をつくるものかなと?自分もべんきょうしています。
また、アートの制作環境を思うと、美術というものを勉強されてる方によっては、誰にでも描けてしまいそうに”みえる”絵や、下手に”みえる”絵、神経が破綻したように”みえる”絵を描いてしまう。一方で、専門的に美術を学ばなかった方が、技巧的に上手な作品を作ったり、精神的な問題を抱えた方が健全に”みえる”作品を作ってしまえる世の中なので、そういう現在の環境を踏まえて、現在の素朴な作品をキーに、作品の魅力作りって何かな?って思いながら、僕はカオスラウンジという展覧会に参加しています。
ゆるい感じの展覧会なので、東京の青山など、お立ち寄りの際は、喜楽にお越し下さい。