くるみの旅 2013 (滋賀・名古屋)

数日、滋賀や名古屋などへ、くるみについて取材してきました。このレポートは、以前書いた「この胡桃は、この胡桃である。」の項目の具体的な調査になります。

川端健夫さんの工房 マンマミーア

  • 胡桃の材木を使った木工職人について調べていて、色々調べたり、知人に相談した結果、川端健夫さんという木工職人の方を知りました。
  • 僕は、器を使うとき、100円ショップにあるような安い紙皿も、工業製品として量産されたコップも使いますが、手工芸は手工芸品で使いやすく機械に出来ないような歪みや撓みや手の痕がのこるものが良いなと思っていて、川端さんの器を見たとき、木工のロクロで削っただけでなく、薄くノミで掘った痕が残っていて、とても良いなと思いました。
  • 川端さんは、滋賀の寺庄というところで、お菓子職人の奥様と、以前から、その地域に残っていた建物を、木工工房と、キッチンと、カフェと、ギャラリーと、自宅として改修して、マンマミーアというお店として生活されているそうです。
  • カフェスペースでは、川端さんが作られた器や家具が使われていて、工芸品というものは、出来たそのときよりも、なんとなく使って出来た質感が凄くいいなと思いました。
  • 川端さんの奥様が作られるお菓子には、ブラウニーやフルーツケーキ、コンフィチュール(ジャム)などに、クルミが使われているそうです。
  • ギャラリースペースでは、偶々そのとき知った、壷田和宏さんという方の陶芸の花器が気になりました。
  • http://mammamia-project.jp
mammamia 滋賀 2012/09/11 mammamia 滋賀 2012/09/11 mammamia 滋賀 2012/09/11
mammamia 滋賀 2012/09/11 mammamia 滋賀 2012/09/11 mammamia 滋賀 2012/09/11

名古屋城のくるみ林

  • 名古屋城の敷地内、旧二之丸東二之門の付近に、くるみ林があるというので見てきました。
  • 残念なことに現在、名古屋城を部分的に改修中で、くるみ林の地域は工事地区に入っており、間近でくるみの木を見ることは出来ませんでした。しかし、柵越しに数本確認することが出来ました。
  • 城内の工事は、これから10年後ぐらいに完成するそうです。
名古屋城 2012/09/13 名古屋城 2012/09/13 名古屋城 2012/09/13

クルミパン

ブルーチーズとくるみ 蜂蜜ヴァイツェン (アナナス) メープル胡桃マフィン (food control shop zero) イチジクの赤ワインのにこみとクリームチーズのクルミパン (スーリープー)
ブルーチーズとくるみ 蜂蜜ヴァイツェン
アナナス
すごい美味しかった。「パレ・ド・ノア」というクッキーや、「りんごとクルミのディニッシュ」「ゼーグル・オ・ノア」「ルヴァン・フロマージュ」というクルミを使ったパンも見かけました。
メープル胡桃マフィン
food control shop zero
こちらのパン屋さんは、小麦ふすまという材料を使って健康に気遣っている商品がおおいようです。「クルミ食パン」「黒糖クルミベーグル」というクルミを使ったパンもあるようです。
イチジクの赤ワインのにこみとクリームチーズのクルミパン
スーリープー
「カンパーニュ・クルミ」というパンが食べたかったのですが売り切れていました。地元ではとても人気があるお店のようでした。
クルミロール (アンデルセン) アバター (ジョアン) モルトくるみパン (カスカードアスティ高蔵寺店)
クルミロール
アンデルセン
チェーン店で、名古屋以外でも食べられると思います。「クルミロール」より一回り大きい「くるみパン」もありました。
アバター
ジョアン
こちらも、チェーン店で、名古屋以外でも食べられると思います。くるみの粒が細かめです。
モルトくるみパン
カスカードアスティ高蔵寺店
主に名古屋にお店がある、チェーン店のようです。オーソドックスなクルミパンです。

リス山の保育園と東谷山

  • 東谷山は、守山リス研究会などによって、リスが暮らせる里山づくりとして、くるみなどの樹木の植樹や、害虫の駆除など、山の手入れがおこなわれた里山です。
  • 「リス山の保育園」を企画運営されているecodomoは、以前伺った、守山リス研究会の活動を通して知りました。(http://jp.omolo.com/?p=1970
  • 1歳半〜3歳の子どもたちの、自然体験、里山体験をおこなう活動をされています。
  • 準備体操や、食事のあとなど、ecodomoさんたちは素敵な歌や踊りをやってくれました。特に「リスの山のパイノ」という曲が印象的でした。もともと参加された子供さんが歌ってた曲を編曲した曲だそうです。
  • よつもとあきら「むかいあわせ - しぜんのなかのかたち」 という絵本を読み聞かせてくれました。絵本の内容は、よのなかにあるものに、左右対称の形を読み抜く絵本でした。その絵本を読み終わったあと、用意して頂いた紙と、川の泥をつかって、ロールシャッハテストのような左右対称の形をみんなでつくりました。
  • また食事の場所に行く途中にみつけた、煙のように胞子が出るフクロダケや、アカメガシワの種と鳥の栄養の取り方や種の運び方などについて説明をうけました。
  • 東谷山で、リスが食べた胡桃の殻を頂きました。
  • リスは、生後から二ヶ月ぐらい乳を吸う時期で。生後二ヶ月から四ヶ月程度で穴を開けて胡桃を食べ、生後四ヶ月から六ヶ月程度で不格好ながら胡桃を割ることを覚え、生後六ヶ月から八ヶ月程度で綺麗に胡桃を割って食べるようになるそうです。リスの成長のタイミングによって、胡桃の食べ方が違います。
  • http://ecodomo.info
ecodomo 東守山 2012/09/15 ecodomo 東守山 2012/09/15 ecodomo 東守山 2012/09/15
ecodomo 東守山 2012/09/15 ecodomo 東守山 2012/09/15 ecodomo 東守山 2012/09/15
生後2ヶ月から4ヶ月のリスが食べた胡桃 生後4ヶ月から6ヶ月のリスが食べた胡桃 生後6ヶ月から8ヶ月のリスが食べた胡桃
生後2ヶ月から4ヶ月のリスが食べた胡桃 生後4ヶ月から6ヶ月のリスが食べた胡桃 生後6ヶ月から8ヶ月のリスが食べた胡桃

くるみの旅の地図

まとめ

  • 今回の旅行で感じたのは、そのときその場所にだけに居たりあったりする、動植物・商品・人や組織と、良くも悪くも、いつでもどこにでも居たりありそうな、動植物・商品・人や組織を、通して感じられることと、その時のその場所でしか感じられない豊かな経験について考える切っ掛けになりました。また、その時代、その土地、そこに居る方の魅力は、どのように作られるものかな?と思いました。

備考

カオス*ラウンジV 8月17日(土) – 8月28日(水) ビリケンギャラリー

日本民藝館「つきしま かるかや 素朴表現の絵巻と説話画」で、室町時代から江戸時代の素朴な民画の展覧会を見てきました。民画というのは取り立てて上手くもない大人がテキトウな画材をつかって、何かの物語や、量産品として、何処かの誰かが、一生懸命描いた絵などです。
当時の上手くてプロフェッショナルで豪華な絵を見ると気落ちしてしまう時もありますが、そういう作品よりも、汎用性がたかく、おもしろく感じるところに憧れます。
場合によっては、上手くない誰かも、人生のある一瞬に描きあげる、おもしろい絵というのが民画の魅力で、そういうものが上手で豪華なものに勝るとき、本当いいものだなとおもいます。
何かをつくる画家さんや、彫刻家さんなど、豪華な素材や技術の習得や、キャリアアップ、規模の大きな仕事によって、自分の作風や様式をつくるというのは、それはそれで結構なこととは思いますが、例えば、体力や技術の減退、キャリアダウン、素材にかけられる経済力を失ったとき、素朴な絵に見られるような汎用性を、作者自身の技術として、訓練して、備えていれば、どういう環境でも、その人なりの作品は生産し続けられるだろうし、環境ありきでしかその人なりの作風を作れないのであれば、環境が悪くなると筆を折るというのも必然のような気がします。
そういうことを思うと、素朴さをキーに、どんな環境でも制作できる、その作者なりの作品の汎用性や魅力をどうやって作るか?考えるのは良い展覧会だったと思いました。

カオス*ラウンジV
8月17日(土)~8月28日(水) 13:00?19:00 ※月曜休廊
オープニングレセプション:8月17日(土曜)17時?19時予定
会場:ビリケンギャラリー 〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-10

参加者 (五十音、敬称略):

☆藤城嘘、あやの、荒渡”MAGMA”超レーガン?、有延和麿、一輪社、今井新、梅ラボ、stk、大瀧翼、おさしみちゃん、かなみとも、蚊に、サカグチ、さくらいま、だつお、チバガク、仲山ひふみ、ハタユウキ、東麻奈美、pipatan、平野淳、百頭たけし、埋名、マドモアゼルあんな、みあろ、三毛あんり、メロ、もさ☆、簗瀬草介、山内崇嗣、山本悠、リリカルロリカル、レベッカ、他。

カオス*ラウンジV 展示風景 カオス*ラウンジV 展示風景 カオス*ラウンジV 展示風景


View Larger Map

カオスラウンジは、僕も、色んな都合があうとき参加していて、できることならなるべく参加したいなと思う気楽な展覧会です。
参加者は、主に自分より若い年代の方達で、もしも現在の民画があるとしたら、どういう媒体で?どういう技法で?どういうモチーフで?皆さん作品をつくるものかなと?自分もべんきょうしています。
また、アートの制作環境を思うと、美術というものを勉強されてる方によっては、誰にでも描けてしまいそうに”みえる”絵や、下手に”みえる”絵、神経が破綻したように”みえる”絵を描いてしまう。一方で、専門的に美術を学ばなかった方が、技巧的に上手な作品を作ったり、精神的な問題を抱えた方が健全に”みえる”作品を作ってしまえる世の中なので、そういう現在の環境を踏まえて、現在の素朴な作品をキーに、作品の魅力作りって何かな?って思いながら、僕はカオスラウンジという展覧会に参加しています。
ゆるい感じの展覧会なので、東京の青山など、お立ち寄りの際は、喜楽にお越し下さい。

f:id:lie_fujishiro:20130802185624j:image

Posted in: infomation by admin カオス*ラウンジV 8月17日(土) – 8月28日(水) ビリケンギャラリー はコメントを受け付けていません

ノチーノ Nocino 青い胡桃の果実酒づくり (2013/08/05 update)

6/23 おにぐるみ収穫 6/23 おにぐるみ収穫 6/23 おにぐるみ収穫
6/23 おにぐるみ収穫 6/23 おにぐるみ収穫 6/23 おにぐるみ収穫
8/4 くるみ引き上げ 8/4 くるみ引き上げ

以前から、興味があった、胡桃の果実酒づくりを始めました。
レシビをネットで調べてから作ってるのですが
Nocello(ノチェロ / ノチェーロ)Nocino(ノチーノ)というものがあり、レシピが重なるところと、違うところがあり。同じお酒か?違うものか?今ひとつ判りませんでしたが、初めてなので、割と適当につくります。
Noce=クルミというイタリア語の意味のようです。

道具・材料
高枝切りハサミ、枝きりハサミ、果実酒瓶、茶こし袋。バニラビーンズ2本、クローブ少々、レモンの皮一個分(白い部分をなるべく加えない)、シナモンスティック4本。砂糖。アルコール度数50度程度のウォッカ(アルコール度数96度以上のスピリタスや、エチルアルコールを使う場合もある)

レシピ

  1. 6月24日(聖ジョバンニの日)の夜、青い胡桃の収穫。61個程度収穫。(縁起か何かで、奇数が大事らしい。)
  2. 青い胡桃を殻ごと、半分から4分の1のサイズにカット。
  3. カットした青い胡桃を、蒸留酒につける。(このお酒が、アルコール度数50程度のレシピと、96度のものを使うレシピがある)今回は、アルコール度数50度のウォッカ、2リットル程度用意しました。
  4. 香辛料:バニラビーンズ2本、クローブ少々、レモンの皮一個分(白い部分をなるべく加えない)、シナモンスティック4本。砂糖は、とりあえず250g程度用意。
  5. 香辛料と砂糖を入れるタイミングは、いくつかあるようで、漬けて40~60日後に、胡桃を取り出すタイミングで、香辛料と砂糖を入れるパターンと、最初から全部入れるタイミングがあるようです。今回はひとまず、全部入れました。
  6. 香辛料を全て軽く少量の水で煮込み、煮込んだお湯を取り出し、香辛料は果実酒の瓶にいれました。
  7. 香辛料を煮込んだ水を使って、砂糖を飴のように、カラメル状に軽く焦がします。香ばしい香りがしたら取り分けたウォッカと良く混ぜて、果実酒の瓶に
  8. 常に日向に出して酸化させて、出来れば、毎日瓶を振る。(日陰に置いておく話もある)
  9. 漬けて40~60日後、胡桃の取り出し、大体、お盆のころ?砂糖の味見をして場合によってカラメル状の砂糖を追加。

現状、ここまで、今後の予定。
作業風景。http://www.flickr.com/photos/22081105@N03/sets/72157634314534319/with/9133990598/

  1. 六ヶ月程度寝かして完成。

■参考サイト

続きます。

Posted in: days, memo by admin ノチーノ Nocino 青い胡桃の果実酒づくり (2013/08/05 update) はコメントを受け付けていません , , ,